多言語で生きよう:コミュニティ、学校、家庭でのバイリンガル教育
バイリンガル教育は、日本では英語教育と考えられることが多いのですがそれは一面を捉えているに過ぎません。バイリンガル教育とは、本質的には「二つ以上の言語を理解するための教育」と言っていいでしょう。
例えば、私の名前は藤田ラウンドです。藤田は日本人母、Roundはイギリス人父の国際結婚の我が家では、お母さん(日本語)、お父さん(英語)がそれぞれの自分の母語(mother tongue)を子どもに使い、育てました。青年になった二人の子どもたちは、二つの言語を話せるようになりました。しかし、これは「話しことば」、つまり、家庭の中でのコミュニケーションのことばなので、学力を上げるために二つの言語を親が使って子どもを育てているのではありません。それぞれ日本とイギリスにいる祖父母や親戚のいとこたちとコミュニケーションをとるための二言語教育、家庭内でのこのような取り組みもバイリンガル教育です。
私の家庭は日本語と英語の組み合わせとなりましたが、日本国内にいる国際結婚家庭の二つの言語の組み合わせは日本語と英語は少数派です。英語だけではなく、アジアの諸言語の組み合わせが一番多いはずです。こうしたグローバリゼーションの中にある、21世紀現在、私たちは一つだけの言語で生活ができないというのが現状ではないでしょうか。日本語の中にも外来語が入り込み、また、社会の中での英語の重要性だけが際立ち、一人の人の学歴や就職にも関わってくると言えます。